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殿利息でござるの原作(実話)と酒屋や浅野屋甚内の現在!ロケ地やあらすじも

「殿、利息でござる!」という映画を見たことがありますか?

ポスターやDVDジャケットを見ると、主演の阿部サダヲが寛永通宝のちょんまげを頭に載せていて、一体どんなコメディだろうと思わせますね。

ところが意外にも内容はとても濃く、涙なしには見られない人情時代劇なんです。

忘れかけている古き良き日本人の精神を思い起こさせてくれる映画です。

戦場でも武士でもない、一般庶民に焦点を当てた題材は実話をもとにしているとのこと。

それでは「殿、利息でござる!」のエピソードやゆかりの地の現在、ロケ地やあらすじなどを見ていきましょう!

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目次

「殿、利息でござる!」の原作や元になった実話とは?

この映画の原作は、磯田道史が書いた「無私の日本人」です。

磯田道史さんは加賀藩のそろばん侍・猪山直之を題材にした映画「武士の家計簿」の原作者としても知られています。

磯田さんは「武士の家計簿」の映画が好評を博したのち、「殿、利息でござる!」のゆかりの地に住む吉田勝吉という人からの手紙をきっかけに、古文書「國恩記」に出会い、穀田屋十三郎達と吉岡宿のエピソードに涙したそうです。

実話の出来事は、現在の宮城県黒川郡大和町吉岡が舞台で、18世紀後半、仙台藩が七代藩主・伊達重村の時代なのだとか。

吉岡宿は、仙台藩から「伝馬役」という宿場の運搬係のような仕事を命ぜられていました。

でも、宿場は半独立領主である但木氏の領地だったので、役目に見合った助成金を受けることができず、非常に不条理な状態になっていたんですよね。

耐えかねて逃げ出す一家が出ると、その家の負担金は残りの住人に降りかかるという、負のスパイラル…!

このような悲惨な状態を、なぜ仙台藩は救済しなかったのでしょうか…(;’∀’)

実は藩自身も金欠状態だったのでした。

藩主伊達重村は、幕府に対し官位を求める運動に大金を必要としていました。

老中たちへの付け届けだけでなく、お手伝い普請という幕府命令の土木工事も引き受け、内情は火の車だったと言えますね。

吉岡宿では庶民たち自ら立ち上がり、事態解決のための一大事業が行われるのです。




「殿、利息でござる!」の酒屋と現在の様子は?

映画の主人公・穀田屋十三郎の御子孫は、現在も「酒の穀田屋」を営業しているのだそうです!


映画の最後に、先代の浅野屋甚内が宿場町を見渡しているシーンから、現在の街並みの映像に切り替わって日常風景が映されていますが、あれはおおよそ現実なんですね。

十三郎本人は、先述のことが成就して4年後には亡くなってしまいました。

亡くなる前に十三郎が子孫に残した家訓は下記のような内容になります。

・わたしのしたことを人前で語ってはならぬ

・これからも吉岡のために助力を惜しんではならぬ

・茶を売れ

(「無私の日本人」より要約)

ちなみに、このゆかりの地を訪れるファンも多いようですよ(*‘∀‘)b




「殿、利息でござる!」の浅野屋甚内の現在は?

では、映画で穀田屋十三郎の弟が、兄を差し置いて継いだという浅野屋甚内の造り酒屋兼質屋はどうなっているでしょう。

残念ながら、現在浅野屋はなく、「跡地」としてパネルが立っているだけになります。

この辺りを訪れるには、まず「吉岡宿本陣案内所」からスタートするとよいでしょう。

映画の全国上映をきっかけに2016年5月7日にオープンしました。

「国恩記」ゆかりの場所を巡回する起点となる場所です。

「殿、利息でござる!」で実際に使用された品々を見ることもできるそうですよ。

 

一方、浅野屋が作っていたお酒「寒月・春風・霜夜」の銘柄は、浅野屋の番頭筋を先祖に持つ浅多商店が引き継いでいます。

浅多商店さんのHPはこちら

映画に出てきた「伊達のお殿様が名付けた銘柄」というシーンは、実話に基づいていたんですね。




「殿、利息でござる!」のロケ地は?

それでは、「殿、利息でござる!」のロケ地をチェックしてみましょう。

・国営みちのく杜の湖畔公園ふるさと村(宮城県柴田郡)


まずは、もと吉岡宿から車で1時間程度の距離にある場所です。

広い敷地にみちのくならではの古民家が多数移築された、味わい深い公園です。

具体的にどの民家が使われたかはわかりませんが、花がきれいなシーズンを狙っての訪問が素敵です。

・松ヶ岡開墾場新徴屋敷(山形県鶴岡市羽黒町)


19世紀の建物が復元されています。

おそらく屋内の撮影に多く使われたのではないでしょうか。

・真田邸(長野県松代市)

 

19世紀半ば、真田家九代藩主・幸教が義母のために建てた御殿。

クライマックスで十三郎をはじめとする吉岡宿の面々が正装で出入司・萱場杢と対面する場所でした。

宮城の地元以外では、この松代付近が多くロケ地に使われました。

歴史探訪にぴったりの街です。




「殿、利息でござる!」のあらすじ

さて、穀田屋十三郎や弟浅野屋甚内ほか有志が目指した吉岡宿を豊かにする解決策とは…。

何と「伊達のお殿様に千両を貸し付けて利子をとる」というものでした!

大胆かつ、一歩間違えば一揆のように首が飛ぶ事業です。

そもそも貧乏だから悩んでいるのに、どうやって元金の千両(今でいう約3億円の価値)を集めるのか。

地元の篤志家たち9人によるなみなみならぬ努力が展開されます。

決して返ってこないお金のため、十三郎は金目の道具はすべて売り、甚内は店を傾けてまで蓄財を注ぎ込みます。

何とか無理やり貯めた銭・寛永通宝や文銭を、今度は小判の切り餅に換金するのにまた一苦労。

足かけ8年で、ようやく「金貸し」を藩に申し出ることが可能になり、宿場町の将来に希望を持つことができるようになったのでした。

そこにある精神は「みんなで幸せになる」ということ。

しかも「決して自慢しない」こと。

彼らの「世のため人のため」の偉業は、長年地元のお寺・龍泉院の和尚栄州端芝が記した「國恩記」にのみ伝えられていたのです。




まとめ

いかがでしたか。

「自分の店がつぶれてでも町を守る」なんて、当時にしても斬新すぎる発想だったでしょう。

利益追求にならないように千両の利子は全て町のために使い、しかも自分たちが元金の提供者であることは秘匿事項。

まさに古くからの美徳「無私の心」です。

また、実際に下々からの仰天な申し出を吟味し、藩として承認したお殿様・伊達重村もたいした人物だったと言えますね。

ちなみに、映画の中では、お殿様がわざわざ浅野屋を訪れ、ねぎらいの言葉をかけるシーンもあります。

☆おまけ☆

出演者たちにもギリギリまで秘密にされていた仙台藩七代目藩主・伊達重村役は…

なんとあの金メダリスト・羽生結弦でした!


映画で取り上げているのがご自身の地元・仙台ということで、震災復興のお役に立てるならば…と快諾してくれたそうです。

ここにも「世のため人のため」の心がうかがえますね。

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この記事を書いた人

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