今回は、ハリーポッターシリーズの要ともいうべきダンブルドア校長先生について、探索していきたいと思います。
「ダンブルドアはクズだ」というようなコメントがネットであがる理由は何なのでしょう?
映画の中ではぼんやりとしか語られていなかったダンブルドアの過去、妹にまつわる事件、そして死の真相について原作をもとに明らかにしていきます!
Contents
ダンブルドア校長がクズな性格と言われる意外な理由とは?
ダンブルドアのクズ疑惑には大きく分けて3つの理由があります。
2つは青年期、1つは死にまつわる話ですね。
ダンブルドア校長がクズな理由その1:妹を隠ぺい
アルバス・ダンブルドアは、母が死んで家長になってからも、妹アリアナを医者もとい“癒者”に見せたり、魔法の訓練をさせたりしようとは思わなかったのでした。
家庭内DVともいえ、アバーフォースと対立したゆえんですね。
アリアナが母の死にかかわっている事実を隠ぺいしたのが、妹を思ってのことか、弟のいう通り保身のためか…微妙なところです。
ダンブルドア校長がクズな理由その2 グリンデルバルドとの付き合い
かつてヴォルデモートのように脅威とされていた悪の魔法使いグリンデルバルド。
彼とホグワーツ卒業後のダンブルドアは親友関係であったことがあげられます。
グリンデルバルドは魔法界を牛耳ろうとダンブルドアに誘いをかけます。
妹が関わっていなかったら、果たしてダンブルドアが「親友と対決する」流れになったかはわかりません。
その後のニワトコの杖を盗み出したグリンデルバルドとの1対1の決闘は歴史に残ります。
しかし、決闘後“ニワトコの杖”を自分のものにするくらいには、まだ野心があったということですね。
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ダンブルドア校長がクズな理由その3:スネイプの愛を利用
ダンブルドアは、ハリーの母リリーをスネイプが愛していたということを、とことん利用しまくります。
リリーの命の危機を知ったスネイプには逆スパイを命じ、リリーの死後はハリーの後方支援をさせます。
ヴォルデモートの復活の際には、さらに逆スパイの継続を命じるわけです。
ハリーの支援とそれを極秘にすることについては、スネイプが望んだことでもありますね。
ダンブルドアは「君の一番良いところを隠すのかのぅ」とスネイプを気遣うつぶやきを漏らしています。
しかし、さらにダンブルドアの殺害をも依頼される羽目になるとは、スネイプも思わなかったでしょう。
「吾輩に多くを望み過ぎなのでは」
とスネイプがぼやくシーンが映画にもありましたね。
校長としては一瞬でも闇の魔術に染まったスネイプが許せなかったのかもしれませんが、「自分の過去を棚に上げて…」という気持ちになりますよね。
実際は、むしろダンブルドアには「使える手ごまがほかにいなかった」というのが事情といえます。
ダンブルドア校長の過去のエピソードとは?
ダンブルドア校長の若かりし頃については原作の「ハリーポッターと死の秘宝」上下巻に散在しています。
例えば上巻では、ロンの兄ビル・ウィーズリーとフラーの結婚式で、ハリーが年寄りから聞き込んだ会話から、次のようなことが見えてきます。
・アルバス・ダンブルドアは兄弟妹の3人兄弟で、妹は魔法が使えないと言われていた。
・アルバスの父は、マグルを3人殺害して裁かれた。
・アルバスの母は妹を恥だと思い、ゴドリックの谷では隠して育てたが、アルバスも逆らわなかった。
・母の死はアルバスの青年期の人生から自由を奪った。
また、下巻では、要所要所で次のような事実が明かされますね。
・かつて脅威とされた悪の魔法使いグリンデルバルドと親友だった。
・グリンデルバルドの杖こそ、伝説の“ニワトコの杖”であり、ダンブルドアは決闘で勝ち取った。
・ダンブルドアは家族への仕打ちを後悔していたので、分霊箱の指輪の呪いにやられた。
総合すると、ダンブルドアはどちらかというと、高慢で、ドラコ・マルフォイのような少年であったといえます。
家族よりも自分の能力と学校生活が大事で、不幸な妹のことは見ないふりをしていました。
なので、親が死んで家長になったとたん、妹の重荷と自分の人生を犠牲にすることに耐えられなくなります。
母のように妹を閉じ込めて弟の反感をかい、鬱屈から「魔法界を牛耳る存在になる」というグリンデルバルドの誘惑に転びそうになります。
権力に弱い面もあったんですね。
この辺りは「半純血のプリンス」を名乗っていたスネイプとの類似点が見られます。
長じてマグル容認組となり、不死鳥の騎士団を作るほどの人格者になったのは、若いころの過ちを悔いたからなのだといえます。
ダンブルドア校長の死因とその後とは
■ダンブルドア校長の死因
ダンブルドアは、実は分霊箱の指輪の指輪を破壊する際に、その呪いの被害に合い、腕から壊死していくような状態でした。
指輪に隠されていた死の秘宝“よみがえりの石”にダンブルドアが誘惑されたからです。
ドラコ・マルフォイが、自分を殺すようにヴォルデモートに命じられたことを知ったダンブルドアは、「死にかけた自分の命より生徒の命の方が重い」と結論づけ、スネイプに事前の指示を守るよう「頼む」と告げます。
おかげでドラコと父母は救われ、スネイプは潜入を続行できたわけですが、一気に憎まれ役となったスネイプが気の毒ですね。
■ダンブルドア校長の死後
ダンブルドア校長は「ちゃんと死んだ」のか…と悩む点があります。
確かに埋葬されましたし、遺品は整理され、大事な“ニワトコの杖”もヴォルデモートに奪われます。
しかし、ハリーが禁じられた森で仮死状態になった時に「不思議な場所」で出会ったダンブルドアは、何だったのでしょう。
ハリーに「ヴォルデモートの魂のかけらは救えない」と告げ、まだハリーが死んでいないことを教えます。
幽霊や“記憶”とは違って、きちんとハリーと応対し、アドバイスまでしているのが不思議です。
ダンブルドア校長の妹の死の理由とは?
妹アリアナの死は、「爆死」のようなものだったといえます。
魔力がない、あるいは体が弱いといわれて教育を受けさせてもらえなかった彼女は、魔法の制御方法を体得していなかったのです。
はっきりとは語られませんが、父の罪とされた3人のマグルの死はアリアナに暴行した復讐、母の死はアリアナの魔法的カンシャクの発作の結果です。
妹自身の死については「アルバスの実験の被害者」という説がささやかれます。
しかし本当は、グリンデルバルドとアルバス、そして弟アバーフォースの争いに巻き込まれた結果の発作でした。
その後、葬儀の席でアルバスは弟に鼻の骨を折られ決別、またグリンデルバルドとは対決することになります。
ダンブルドアのまとめ
ダンブルドア校長先生の人間味あふれる人生をひも解いてみました。
「クズ」と断定するのは厳しすぎますが、高潔とはいいがたい前半生はかなり印象的でした。
映画では省略されていた原作のディテールにも、いろいろな謎が隠されていたのですね。
ヴォルデモートの存在を除けば、ハリー・ポッターに負けないぐらい、壮絶な人生だったことが分かります。
ぜひとも「ダンブルドアの物語」の映画が欲しいところですね!