今回は“ニワトコの杖”について、詳しく探索していきます。
実はこの杖についての情報は、まとまってきちんと説明がされていない点が特に映画に多く、結末も映画と原作では若干違っていたりもします。
その辺を踏まえて、細かく見ていきましょう!
Contents
ニワトコの杖の持ち主(所有者)は誰?
ニワトコの杖の真の持ち主は、長らくはアルバス・ダンブルドア、最終的にはハリー・ポッターということになります。
なんだかんだ言って、実はヴォルデモート卿が持ち主であった瞬間は、全くないんですね。
他人の杖を奪って持ち主になるには、相手を殺害するかどうかではなく、魔法的に元の持ち主を打ち負かしたかどうか、ということが重要になります。
そうでないと杖は威力を発揮できなかったり、逆らったりするんです。
ですから、事情を知らなかった人々は、慣習通り、平気でニワトコの杖をダンブルドア校長のお墓に納めてしまったわけです。
詳しい内容については、次の項目で説明したいと思います。
ニワトコの杖の所有権をめぐる争いとは?
このニワトコの杖は伝説的存在の「死の秘宝」と同一視されています。魔法界の物語に由来しているということになっていますが、では実際に作ったのは誰か、という点は謎に包まれています。
それでは、最近の所有者についての争いを見ていきましょう。
■ゲラート・グリンデルバルトからアルバス・ダンブルドアへ
ゲラート・グリンデルバルトとアルバス・ダンブルドアは、若かりし頃に友人関係でした。実際、アルバスがストレスを抱えていた時期には、2人で魔法界を牛耳るような妄想にふけっていたというエピソードもあります。
しかし、アルバスの妹の死をきっかけに、グリンデルバルトとダンブルドアは完全にたもとを分かちます。
グリンデルバルトが外国で悪の魔法使いとして猛威を振った時期を経て、ダンブルドアは彼に対抗できる唯一の魔法戦士として、1対1の決闘を挑むことになります。
ダンブルドアは無事グリンデルバルトを倒し、彼はヌルメンガード牢獄に繋がれることとなりました。
この勝利の時、ダンブルドアはグリンデルバルトが所持していたニワトコの杖を自分のものにしました。
考えがあってのことか、誘惑に捕まったということか…
それは原作にも詳しくは描かれていません。
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■アルバス・ダンブルドアからドラコ・マルフォイへ
ダンブルドア校長は「秘密のプリンス」の後半部分でスネイプ教授に「アバダ・ケダブラ」をかけられ、死亡してしまいました。
後にヴォルデモートは、その時の状況を詳しく知らなかったため、スネイプがニワトコの杖の真の所有者だと勘違いし、彼を蛇のナギニに殺させます。
しかしそれは大きな間違いでした。
「死を制する者が所有者になる」という伝説と、所有者が敵を葬るのにこの杖を活用した黒歴史から、ヴォルデモートは元の所有者を殺せば杖は従う、と誤解したのです。
スネイプが手を下す直前、実はドラコ・マルフォイが、まだ校長を殺す決心がつかないまま、彼に「エクスペリアームズ」の呪文で武装解除をしていたことが重要であり、ヴォルデモートの知らなかった点です。
つまり、ニワトコの杖としては、既にドラコに屈服していたかたちとなるのでした。
■ドラコ・マルフォイからハリー・ポッターへ
その後、「ハリー・ポッターと死の秘宝」の、マルフォイの館の場面で、気づかずにニワトコの杖の主人となっていたドラコは、脱出を図るハリー・ポッターに、やはり武装解除されます。
この時のドラコがとられたのは、サンザシの杖でした。
ニワトコの杖は、ダンブルドアと共にお墓に埋葬されていたので、ドラコやスネイプが触りもしないうちからヴォルデモートの手元に移っていました。
しかし、ニワトコの杖は、その魔法的性質から、ドラコの杖を武装解除して奪ったハリーが真の勝利者であり、イコール自分の新しい主人だと認識していたわけですね。
ちなみにハリー自身のヒイラギの杖は、それ以前に事故でハーマイオニーに砕かれてしまっていました。
ロンが他所から奪ってきたリンボクの杖でドラコを武装解除したのですが、この杖はハリーになつかなかった、としか触れられていません。
ドラコのリンボクの杖は、以前にニワトコの杖に勝っていたわけですから、ヴォルデモートは決戦を前に二重の失策をしていたことになります。
ニワトコの杖とグリンデルバルドの関係とは?
グリンデルバルドはニワトコの杖の強奪者であり、ダンブルドア校長の前の所有者です。
ゲラート・グリンデルバルトは、ハリー・ポッターシリーズの中ではあまり大きく取り上げられていませんが、原作者J.K.ロリングの設定では、ヴォルデモートに匹敵するような悪の魔法使いとして扱われています。
活動拠点はクィディッチ選手ビクトール・クラムの出身地、ブルガリア。
魔法界の悪党は、みんな考えることは同じなのでしょうか。
権力を手にしたかったグリンデルバルトは、伝説的「死の秘宝」のニワトコの杖を当時の所有者である杖師・グレゴロビッチから盗んだのです。
後日、グレゴロビッチはヴォルデモートに「誰が強盗んだのか」と詰問され、情報を引き出された後、ヴォルデモートに殺されてしまいます。
ヌルメンガード牢獄のグリンデルバルト本人から、ニワトコの杖はダンブルドアのものになっている、と聞いたヴォルデモートは、イギリスに帰国後ダンブルドアの墓を暴くことになるのです。
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ニワトコの杖を折る理由とは?
大決戦の後、ハリー・ポッターは、ニワトコの杖を折ってしまいました。
なぜでしょう?
ちなみに、「折る」という行動は、映画の中だけですね。
原作では、ただ谷に向かって投げる、という感じでしょうか。
所持しているだけで権力に取り付かれたり、狙われて襲われたりなど、トラブルのもとになるばかりの“最強の杖”を、ハリーは望まなかったんです。
そこがハリー・ポッターの正義感あふれるところであり、ヒーローらしからぬ謙虚さという特徴ですね。
ただし、原作では、ハリーは杖を捨てる前に、1つ大事なことをします。
ロンとハーマイオニーの目の前で、大事に持っていた自分のヒイラギの杖の残骸を取り出し、ニワトコの杖で「レパロ」をかけるのです。
この呪文はハリー・ポッターの最初の作品「ハリー・ポッターと賢者の石」で既に登場している、修復の呪文ですね。
ハーマイオニーがどんなに修繕しようとしても無理だった杖は、ニワトコの杖の威力で元通り治ります。
ハリーは自分にあったそのヒイラギの杖を選び、ニワトコの杖を破棄する道を選ぶのです。
ニワトコの杖が最強である理由とは?
ニワトコの杖が最強である理由は、先にも書いた通りこの杖が「死の秘宝」と見なされている点にあります。
実際に死の秘宝の伝説通りのことが起こったのか、それは全く分りません。
“死”が何を具象化したものかも解釈が謎ですね。
優秀なニワトコの杖が伝説をまとったことにより、幾人もの魔法使いの間で奪い合いの対象となり、勝ち抜いた者の所有物となった段階でさらに強さの伝説を帯びたわけです。
ある意味強い魔法使いの血を吸って「死の秘宝」として成立してしまった、ということは確実です。
ハリー・ポッターは、そのような黒歴史を断ち切りたかったのですね。
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ニワトコの杖のまとめ☆
いかがでしょうか。
映画の中でまとまって描かれていなかったニワトコの杖について、原作をもとに詳しく探索してみました。
ハリー・ポッターの世界観は完全にJ.K.ロリングのオリジナルです。さらに、その物語のために伝説まで作ってしまう作者魂には、感動してしまいますね。
しかも、グリンデルバルトの物語は、これから先、もっと大きく扱われる可能性があります。
そう、「ファンタスティックビースト」シリーズです。
ひょっとすると、ニワトコの杖も再登場するかも。
…楽しみですね(∩´∀`)∩